腸内細菌とは
遺伝子やips細胞など、ライフサイエンスと呼ばれる研究の進歩に伴い、腸内細菌の働きの解明が急速に進み、腸内細菌と免疫力、老化や生命維持機構への関係が明らかになってきました。腸内細菌の集落を花畑に例えた、腸内フローラという言葉もいまや一般的になりました。
腸内フローラを形成する腸内細菌の数は数100種類、数千兆個とも言われ、中でもビフィズス菌に代表される善玉菌と呼ばれる腸内細菌が、免疫力の維持に欠かせない存在だと言うことも判明しました。はるか昔、腸の中には大腸菌という名の悪い菌がいて、下痢や便秘の元になっていると考えられていた時代があり、腸内細菌は嫌われ者でした。しかし科学が進歩した現代、腸内細菌をどのように活用するかが、健康的な人生を送るキーポイントになる時代がおとずれたのです。
一方、培養(菌を育てて増やすこと)技術の進歩により、腸内細菌の種類や数が年齢とともに大きく変わっていくことが分かってきました。出生直後の赤ちゃんの腸内細菌は、ビフィズス菌など善玉菌と呼ばれる菌が大半を占めていますが、離乳期~成年期となるにつれ、善玉菌が優勢だった腸内も菌の種類が入れ替わり、老年期になると善玉菌の数が少なくなり、逆に有害物質を作り出すとも言われる悪玉菌が優勢になります。(グラフ参照)
健康維持システムとも言える免疫力の維持には、これら善玉菌の働きが重要であるとともに、善玉菌と悪玉菌のバランスの崩れが老化の原因の一つだと考えられるようになりました。 しかし残念ながら、善玉菌の数が年齢とともに減少していく事も判明しました。
年齢と共に移り変わる腸内細菌