戦う武器と守る武器
今朝(2022年2月1日)のテレビ番組で、埼玉県ふじみ野市でコロナ患者を大量に受け入れている病院々長が、現状を解説していました。症例として、3回目のワクチン接種を受けている基礎疾患の無い60代の男性が、投薬後も点滴を受けているという例を挙げながら、入院患者の高齢化や、ワクチンを打っていても重症化することに警鐘を鳴らすコメントを述べていました。
同年代の者として高齢者とは呼ばれたくはないのですが、それは置いておいて、高齢者は何回ワクチンを打っても、ウイルスと戦う基本的な力(自然免疫力)が、若い人に比べて低下している人が多いので、ワクチンを打って一時的に抗体を作り出すことができたとしても、抗体自体は『戦う免疫部隊』ではなく、ワクチンによる感染を防ぐだけの『守る免疫部隊』です。オミクロン株のように感染力が強いと言われるウイルスの場合、抗体のような守りに徹するしかできない生ぬるい部隊では、あっと言う間に防御線を突破され、全身にウイルスが広がってしまいます。
まして、『戦う免疫部隊』であるマクロファージやNK細胞のような部隊の力(自然免疫力)が低下した状態では、ウイルスの増殖を食い止めることはできません。
高齢化イコール自然免疫力の低下と捉えることができれば、ワクチンを2度打っても3度打っても、獲得免疫をいくら刺激しても、あまり意味がないことが分かりそうなものですが。強烈な肺炎になる、ということはオミクロン以外の感染症にも罹患していることを意味し、総合的な免疫力が得られていない状態です。このような方には、何よりも自然免疫力を高めるためのスイッチを入れてあげなくてはならないのですが、残念ながら病院ではそれはできませんね。
自然免疫のスイッチを入れるシグナルを送る方法を、教えてあげられたら良いのですが。