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脂肪細胞とは何か
ラクトザイムの機能性を考える時、脂肪細胞の存在を切り離すことはできません。
脂肪細胞という言葉には、皆さんは違和感があるのではないでしょうか。
脂肪というフレーズのイメージは、冷蔵庫に入っているようなバターやラードなどの『油』のような物体のイメージであり、細胞と呼ばれる様に生きている生命体のイメージは、そこにはないでしょう。
しかし私たちの体の中にある脂肪は全て脂肪細胞(adipocyte)であり、脂肪細胞とは細胞質内に脂肪滴を有する細胞のことなのです。この脂肪滴こそが脂肪細胞の中に存在する油のカタマリなのです。

脂肪細胞は単胞性脂肪細胞(白色脂肪細胞)と、熱産生の責任臓器とも呼ばれる、多胞性脂肪細胞(BAT~Brown Adipose Tissue~褐色脂肪細胞)とに分類されます。
白色脂肪細胞は体のあらゆる所に存在し、皮下脂肪(お腹、お尻、太もも、上腕など)と内臓脂肪(首、脇の下、内臓周囲など)に分けられます。
白色脂肪細胞には大型の脂肪滴が存在し、核や細胞小器官は隅に圧迫されている状態の、エネルギー貯蔵型の細胞です。
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて溜まりやすく減りやすいという特徴があるため、皮下脂肪を出し入れの難しい定期預金に、また内臓脂肪は出し入れが簡単な普通預金に例えられます。

実験用脂肪細胞
褐色脂肪細胞は小型あるいは中型の脂肪滴が多数存在し、細胞小器官が発達している代謝型、つまり熱放出型の細胞です。
赤ちゃんの頃でも100g くらいしかなく、成人では40g にまで減少すると言われています。褐色脂肪細胞の働きが活発な人はエネルギー消費が多く、逆に運動によってエネルギーを大量に消費したい場合は、低温状態(18度以下)で運動すれば良いことになります。
このように、一般に言う脂肪とは油脂(あぶら)のことですが、実際の脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されているのです。
脂肪細胞は、通常の我々の細胞の大きさに比べて数倍~数十倍の大きさがあり、通常の細胞は細胞核が真ん中にありますが、脂肪細胞の内部は1個の上記の脂肪滴(最大で10μくらいの大きさ)で埋め尽くされていて、核は隅に追いやられている形です。

これら、脂肪滴を含む脂肪細胞をまとめて我々は脂肪と呼んでいますが、厳密にはこのような構造です。内臓脂肪や腸間膜脂肪細胞というのも、生きた細胞の中に脂肪滴が詰まった状態の生きている細胞です。脂肪がエネルギーに変化するメカニズムは、まだ完全には解明されていませんが、様々なホルモンやサイトカインが複雑に働いてエネルギー変換が行われているようです。
しかしそのような脂肪の分解には大量の酸素が必要なため、有酸素運動と呼ばれる持続運動でのみ脂肪が分解される(=痩せる)わけです。